小さな親切で自分が幸せ

梅雨時期になりましたね。

5月は出張が多く、平日はほぼ東京にいないという状況でした。
たくさんのお声がけをいただくことはありがい限りです。

そんな中、出張先への移動日が休日というタイミングがあり、京都の寺社を数か所訪れました。

大学時代とワコール時代に京都で過ごしたにも関わらず、寺社巡りなど滅多にしませんでした。

しかし、最近は歳のせいなのでしょう。
特に歴史に精通していなくても、寺社を訪れるのなかなか良いものです。
心が整うのです。

ある寺院で縁側に腰かけ、枯山水の庭園をゆったりと眺めていました。

私から少し離れた並びでは、60代後半くらいのご夫婦が庭を観賞しています。

するとお母さんが立ち上がりました。
「お父さん、写真撮ってあげるよ。」
「いいよ。別に。」とお父さん。
でも表情はまんざらでもなさそうです。

お母さんは、枯山水庭園をバックにデジカメ(スマホではない)でカシャリ。

「どれどれ、うまく撮れたかしら。。。あっ、ダメだ。逆光でお父さんの顔が黒くなっちゃった。はっはっはっ。」

「だから、いいって言っただろ。」とお父さんが少しがっかりした様子。

そんな会話の一部始終が耳に入っていながら、ここは放っておくわけにはいきません。
大きなお世話かなと思いながらも、私は声をかけました。
「よろしければ、お二人でお撮りしましょうか?」

お母さん「あっ、いいんですか。すいません。お父さん、撮ってくれるって。並びましょう。」

背景を少し変え2つのショットで撮影してカメラを返すと、丁寧にお礼の言葉をいただきました。

私は襖絵などを見ようとその場を離れました。縁側を少し進むと、背中越しにでご夫婦の声が聞こした。

お母さん「あっ、すごいよく撮れてる。うれしい。」
お父さん「どれどれ。おっ、これは記念になるな。良かった。」

声をかけて本当に良かった。
ちょっとしたこの一コマで、一番幸せになったのは私です。

相手のことを思い、少しおせっかいかもしれないけどひと声かけてみる。

それだけでカサカサしがちな日常に、潤いが生まれものですね。

 

 

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