マナーは大事な基本

私自身はマナー研修を行うことはないのですが、4月は新入社員研修の登壇機会もあり、マナーへの関心が高まります。

挨拶、身だしなみ、話を聴く姿勢など、ピリッとした場の雰囲気で学びが進んでいくのはとても気持ちのよいものです。

だたこのマナー、残念ながら「習った時が一番できている」というケースが時折見受けられます。
お客様の人事の方から「マナーが緩んでいたら厳しく指摘し、挨拶などやり直しさせてください。」というリクエストをいただくこともあります。しかし、正直そういうことに時間を使うのは生産的ではありませんし、お互いにとって気持ちの良いものでもありません。

なぜ、マナーが時間の経過とともに緩んできてしまうのでしょうか?

その理由の一つは、マナーを良くすることの意味が外発的な浅いレベルで捉えられていることだと思います。

なぜマナーが大事なのか?「新人としても会社の顔だから」「社会人としての基本だから」 これらの答えは間違いではないのですが、そのレベルの理解だと「やらされ感」や「怒られないようにちゃんとしよう」という域を出ないでしょう。

一部のサービス業を除けば、マナーをあれこれ厳しく指摘されるのは入社後限られた期間に限定されがちです。そうすると「やらなくても怒られない」、「先輩もそこまでちゃんとしていない」なとど理由を見つけ緩んでしまうのだと思います。

これはとても残念でもったいないことです。

P.F.ドラッカー氏の言葉
「マナーは誰しもが身につけられるものであり、誰しもが相手に求めるものである」
を引き合いに出すまでもなく、マナーは基本でありとても重要です。

マナーができていないと驚くほど損します。
ビジネスのコミュニケーションの特徴の一つは、「関係性が薄い相手と接することが多い」という点です。「5回一緒に飲みに行ったら実はいい奴じゃないか。」なんてことはまずありません。たとえその人がとても優秀で良い内面を持ち合わせていても、マナーが悪いと「一緒に仕事をしたくない人」というレッテルを貼られてしまうか、その人から去ってしまうことになるでしょう。

逆に言えば、良いマナーは多くのものを得られるスタート地点になります。マナーが良いと周囲との関係が良くなる、それにより人のネットワークが広がる。そして情報が入ってきて、その結果自分の仕事も広がる。

このようにマナーの良し悪しが自分にとっても大きな意味をもつということを理解した内発的なモチベーションがあれば、そうそうマナーが緩むことはないのではないでしょうか。

そしてマナーが大事なのはもちろん新人だけではありません。
もしろビジネス経験を重ねれば重ねるほど、良いマナーは自分と周囲に好影響をもたらすはずです。私が知る優秀な経営者やビジネスパーソンの方々は、例外なくマナー面で好印象です。
一部の職種の方を除き「マナーのプロ」になる必要はないかもしれませんが、「プロのマナー」は身につけたいところです。

私自身がそうであるように、ピリッとしたマナーの新入社員と接することができるこの時期は、自らのマナーを見直すいい機会です。
「今年の新入社員のマナーは~」などど論評するだけではなく、すべての人がこの時期を「マナー強化期間」と位置付け、自ら立ち居振る舞いを磨き直したいですね。

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