研修のオンライン化:「ウェビナーの現場感」が大事

こんにちは。鈴木一です。

今回もウェビナー関連の話です。

「この研修をオンライン化したいんですけど、どうでしょう?」
こんな企業様からの相談が増えています。

「喜んで!」と即答したいところですが、それはいけません。

今回お伝えしたいのは、「オンライン研修の現場感をもちましょう」ということです。

(ちなみに、本記事でいうオンライン研修とは、参加者が同じ時間にzoomなどのオンラインツールを使って、それぞれ異なる場所から参加する研修=ウェビナーを指しています)

現在多くの企業様において、計画している○○研修をオンライン化(ウェビナー化)できるのか、もしくはできるだけ効果を下げずにオンライン化するにはどうしたらよいのかを検討されていると思います。これは自然な流れです。

ただ、その際「リアル研修での実績」をベースにして、オンラインでは難しいことや、システム上できることなどの「オフラインとオンラインの差分」を足したり引いたりして組み立てようとする発想は危険です。

つまり、
「リアル研修(オフライン研修)でできていること」-「理論上の差分」=「オンライン研修(ウェビナー)」
という発想です。

この発想が危険なのは、「理論上の差分」があくまでも「想定」であるということです。経験値があまりないので多少の想定(仮説)は仕方ありません。ただ、それが現実に近いものでないと、せっかく企画したオンライン研修も「絵に描いた餅」になり失敗しかねません。

できるだけ「リアルな差分」を押さえたいところです。
つまり、
「リアル研修の現実」-「オンライン研修の現実」=「リアルな差分
という具合です。

オンライン研修には「オンライン研修のリアルな現場」があります。

私が経験したウェビナー登壇だけでも、理屈ではわからなかったことが把握できました。
例えば、想定していないトラブルが起きます。参加者がウェビナーにログインできない。途中でシステムが落ちる。また、zoomであればブレークアウトセッションという機能を使ってグループワークを行うことは可能ですが、そこに講師や事務局が前触れもなく現れたときの圧迫感が半端ない。そして(参加者も講師も)思いのほか疲れるなど。
逆に、ウェビナーの良い点もわかります。リアル研修では周囲の空気を読んで手を上げにくいキャラの人も質問しやすい。ブレークアウトセッションでは、個人で考えた情報をシェアする際に発言機会が均等に与えられやすいなどです。

このように、やってみないとわからない直接体験(一次情報)をできるだけ集めることが重要なのです。

では、具体的にはどうすればいいのか。
難しく考える必要はありません。
この記事をお読みのあなたが、人事の研修ご担当であれば、既に4月のオンライン新人研修でのご経験をお持ちでしょう。またそうでなくとも、この間「長いzoomミーティング」を実施されたとすればそれも貴重な一次情報でしょう。もちろん実験的にウェビナーをやってみるのも有効です。
また、研修のオンライン化を相談する場合は、ウェビナーを実際に実施したり、その場に終始同席したりした人に相談することが大切です。(チラ見程度ではダメです)

ただ情報収集に時間をかけすぎてはいけません。
クイックに体感し、検討を前に進めましょう。

企画や問題解決の基本の一つは三現主義(現地・現物・現実)です。

オンライン研修(ウェビナー)の現場感をもつ。
それにより、その研修をオンライン化するべきか否か、またオンライン化する場合はどんな工夫をすべきなのか、手段に振り回されることなく、人材育成という目的を達成する質の高い判断につながるはずです。

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